高感度NMRによるタンパク質の折り畳み機構の解明につながる可能性

高感度NMRによるタンパク質の折り畳み機構の解明につながる可能性

どんな材料か

Sup35と呼ばれる酵母のタンパク質

Sup35はプリオンと呼ばれるタンパク質の一種で、Sup35の通常の機能は、細胞がタンパク質の翻訳を終了させるのを助けることであるが、アミロイド構造を持つようになると、うまく機能しなくなります。

ヒトタンパク質がアミロイドを形成すると、通常は疾患を発症します。特にアルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患や関節リウマチなどに関連していることが知られています。

どんな測定方法か

最近話題のDNPーNMRを使用します。
使用したシークエンスとして、13C{1H} cross polarization (CP)と二次元13C-13C dipolar recoupled correlation spectra using proton driven spin diffusion (PDSD)を使用してます。

 

どんな論文か

タンパク質は、その環境に応じて異なる方法で折りたたまれることができます。これらの異なる構成は、タンパク質の機能を変化させます;ミスフォールディングは、頻繁にアルツハイマー病やパーキンソン病などの疾患に関連付けられています。

これまで、タンパク質が自然環境の中でどのような構造をとるかを完全に解明することは困難であった。しかし、MITの研究者たちは、感度増強核磁気共鳴(NMR)と呼ばれる新しい技術を用いて、酵母のタンパク質が細胞内の他のタンパク質と相互作用しながら形成する構造を解析できることを明らかにした。

精製されたSup35タンパク質を用いた従来のNMRを用いた研究では、アミロイドを形成するタンパク質の大部分が、アコーディオンのひだに似たβシート構造を持っていることがわかった。もう一つの大きな部分は、本質的に無秩序です。

しかし、新しい研究では、研究者たちが他の細胞タンパク質に囲まれたSup35を見てみると、これまで無秩序と考えられていた領域は、実際にはベータシートであると思われる規則的な構造をとることがわかりました。

さいごに

今回紹介した理由として、DNPはすごい装置だということです。今までとおなじパルスシーケンスを使えるのに、感度が何十倍も上がります。

一般的に、積算を二倍にしてもS/Nが√2(約1.4倍)しか上がらないということを考えると相当優秀です。
これまで1日かかっていた、CP/MAS NMRの測定も、10分程度で可能になったります。

何よりも、感度が上がって喜ぶべき点は、INADEQUATEなど、感度の低い測定を自由に使える可能性があることです。

まだまだ発展途上の分野でありますが、15年~20年たつうちに気軽に測定できるようになる思います。

参照論文

原著論文

Frederick, Kendra K., et al. “Sensitivity-enhanced NMR reveals alterations in protein structure by cellular milieus.” Cell 163.3 (2015): 620-628. Here

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