一次元および二次元1H CRAMPS固体NMR分光法で見るポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ヒドロゲル

一次元および二次元1H CRAMPS固体NMR分光法で見るポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ヒドロゲル

どんなサンプル

ピロカテコールを添加したポリ(N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPA)ヒドロゲル

ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPA)ヒドロゲルは、バイオテクノロジー用途で使用される感温性ゲルです。
これらのハイドロゲルの応用分野としては、薬物送達システム、アクチュエーター、ケモメカニ カルデバイス、 化学的スイッチング、 温度変調抽出、親和性沈殿、バイオセパレーション、 センサーの構築、酵素固定化、免疫診断、遺伝子治療、 熱応答性自己組織化ミセル、 光スイッチングなどが挙げられる。

たくさんありますよね。

小さなゲスト分子を添加すると、このヒドロゲルの転移温度にかなりの影響を与えることが観察されているますが、 この温度変化のメカニズムは不明です。この温度変化は化学構造や添加剤の濃度に依存するが、添加剤の疎水性や溶解性とは相関がありません。これは、ゲルの臨界溶液温度が特定の添加剤とポリマーの相互作用によって制御されている可能性を示唆している。

どんな測定か

CRAMPSと呼ばれる固体1H NMR(高分解能MASプローブ使用、英語ではHigh-resolution MASと書きます)方法を用います。
ゲルの場合には、高分解能MAS(ある種、ゲルプローブですが、固体サンプルが少ないときなどは、HRMASプローブを使用します)という特殊なプローブを使うことでとることもできます。

CRAMPSを説明した上記リンクにあるように、the phase-modulated Lee–Goldburg (PMLG) sequenceを使用してます。

ローターも特別なもので、隙間ができないように、テフロンスペーサーを使います。

NMR 分光法では、熱応答性ポリマーの溶液中での体積相転移は、シグナルのブロードニング、緩和パラメータの変化、自己拡散係数の変化を通して検出されます。つまり、相互作用を検出するのに敏感で、その相互作用を確かめる測定方法があるさんあるということを示してます。

どんな結果なの?

まず、下図をみて、固体1HNMRってこんなに綺麗に取れるの!?と驚かれた方が多いと思います。しかも、MAS回転速度が10kHzと一般のCP/MASくらいの速度で測定されています。

そして、ちゃんと側鎖と主鎖に属するシグナルを明確に区別しています。

さらに、9 ppmでは、強くH結合したプロトンに属するシグナルが強くシフトしています。このシグナルの狭窄効果はあまり見分けがつかなく、これは双極子結合によるものではないことを示唆しています。プロトンの化学シフトは結合の強さ、すなわち結合した原子核間の距離に非常に敏感であるため、ブロードニング効果はむしろピロカテコールとポリマーネットワーク間のH結合の変動に由来すると結論できます。

図(原著論文)CRAMPS NMRスペクトル(MAS10 kHz)

このあとに二次元H-H相関CRAMPSの図を見せて、より詳細に説明しています。

参照論文

原著論文

Domján, Attila, et al. “Host–guest interactions in poly (n-isopropylacrylamide) hydrogel seen by one-and two-dimensional 1H cramps solid-state NMR spectroscopy.” Macromolecules 46.8 (2013): 3118-3124. Here

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