CRAMPS

溶液では定番となるプロトンNMRですが、固体NMRでプロトンを測定するのは難しいです。プロトン同士の相互作用のせいで、かなりブロードなピークになって、何もピークを確認できなくなるってことが通常です。
一般的には、プロトン同士の相互作用を取り除くために、高速MASと呼ばれる特殊なNMRプローブを使用するか、高出力のパルスを照射し測定することが知られています。

普通のMASプローブですらすごい早いスピードなのに、高速MASはさらに早いスピードでサンプルローターを回します。固体1H-NMRスペクトル中のプロトン同士の相互作用を除去するためには、取得中に70kHzオーダーの非常に高いスピードや高出力のパルスが必要となります。この方法がCRAMPS(Combined Rotation and Multiple-Pulse Sequence)と呼ばれます。

昔は上記のように、CRAMPSプローブに加えて高速回転、高出力パルス照射が必要でしたが、現在では、一般的なCPMASプローブで測定可能となっています。

そして、現在でも開発中の分野で、今後、一般的なプローブで面白い測定ができるかもしれません。

いい性能を示すシーケンスの一つ、wPMLG (windowed Phase-Modulated Lee-Goldburg)がよく知られています。

今後のシークエンス開発により、固体中でのプロトン測定はよりよいスペクトルが得られるようになると思います。

高分子の分野であれば、材料の酸化劣化(プロトンが減り、カルボニル基の生成、酸化反応の追跡)、生分解性の材料の加水分解性(加水分解で出てくる、OH、H末端など)、化学修飾(ヒドロキシル基の消失の追跡など)。