ソフトマターとは

ソフトマターとは

ソフトマターとは

まずは単純に単語の英語の意味から確認していきます。

ソフトマター=ソフト(やわらかい)+マター(物質)

ソフトマターとは、高分子、コロイド、液晶、界面活性剤からなる「やわらかい」物質の総称です。

ノーベル物理学賞を受賞したピエール=ジル・ド・ジェンヌ(フランス)がノーベル賞授賞式の講演(1991)で紹介したことから、広く知られるようになったと言われています。

高分子とは

モノマーと呼ばれる分子が共有結合によって長く繋がってできた紐状の分子です。
モノマーの数は、数百から数千万になることもあります。

高分子の例
ポリエチレン(自動車材料からビニール袋まで多くの部品)、DNA

コロイドとは

固体(あるいは液体)の微小な粒子(または液滴)を他の液体中に分散させた物質です。

微粒子の大きさは、数nmから1μm程度であり、分散している物質を分散質、取り込んでいる液体を分散媒といいます。

固体微粒子からなるコロイドは、低濃度(液状)でゾルと呼ばれ、高濃度(固形状)でゲルと呼ばれます。

コロイドの例
牛乳、絵具、化粧品

液晶とは

液体と結晶の中間的な性質を持つ物質の状態です。

棒状分子を例にとると、

  1. 結晶
    配向も重心位置も規則的
  2. ネマティック液晶
    配向は規則的、重心位置はランダム
  3. スメクティック液晶
    配向は規則的、重心位置はz軸方向では規則的
  4. 等方性液体
    配向も重心もランダム

界面活性剤とは

水と油のどちらの液体にも溶ける物質です。

水と油との界面がある場合には、そこに集まることで界面を安定化することができます。

また、水と油の中に存在するときにはミセルと呼ばれる会合体(自分で集まってできた構造)を作ります。

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界面活性剤の例
洗剤、細胞膜

また、メントスコーラについてもこの原理を活用したものです。

粉体とは

粉や粒などのあつまったもの(集合体)です。粉(粒)の間の空間(空孔)を占める媒質も含めて1つの集合体として考えます。

個々の粉や粒は固体ですが、集合体を考えたとき流体として振舞うこともあります。

交通とは

車や人の集合も固体とみなせるという意味で、ソフトマターと考えることがあります。

この場合、アクティブソフトマターと呼ばれます。

「やわらかい」とは

身近なプラスチックから車までを取り扱うソフトマターって、どんな分野なのか不思議な感覚になりますよね。

ここでのやわらかさの指標とはなんでしょうか。

対象となる物体(系)に対して、ある大きさの力を加えて、どれだけ変形(伸び)したかが「やわらかさ」の指標となります。

「力を加えた際、どれだけ変形したか。」

物理を勉強したことある人なら、少しピンと来たかもしれませんね。

そうです、フックの法則!

でも、バネの太さ、長さによって変化してしまうフックの法則は少し不適切です。

そのため、やわらかさの指標には「弾性率」と呼ばれる値を用います。

金属 1011
岩石 1010
プラスチック 109
ゴム 106
ゲル 103-105
水(液体) 0

ソフトマターの特徴

「やわらかい」とどうなるのか?

弱い力で大きく変形する

ちなみに、弱い力とは、外力、重力、表面張力など

ソフトマターと非線形性

通常の物質では、加えた力に比例した変形の応答が現れます(線形性)。この性質をもつ液体の場合、ニュートン粘性と呼ばれます。

しかし、ソフトマターの多くは非線形となります。

ソフトマターと非平衡性

物質に一定の力を与えると、緩和時間を経たあとに平衡状態に落ち着きます。

通常の液体では10ー9くらいと短いですが、ソフトマターでは1秒から10秒にもなります。

そのため、ソフトマターでは平衡状態にないことがあり、この非平衡状態が非常に面白いんです。研究テーマになっているのもこの間のことが中心となります。

ソフトマターの構造

まずはサイズから説明していきます。

  • 高分子(10 nm ~ 1μm)
  • 液晶(5 ~ 100 nm)
  • コロイド(10 nm ~ 1μm)
  • 界面活性剤(両親媒性分子)(5 ~ 100 nm)
  • 生体分子(~2 nm)

このサイズ感を見たときに、これらを扱えるサイズの単位があると便利ですよね。

そこで、メソスケール(1 nm ~ 1 μm)の構造が重要となります。

そして、この構造がどのような性質に影響を与えるかというと、

低弾性率、粘弾性・非ニュートン粘性、非線形性、非平衡性です。

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